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- [お墓のことを知る・考える] 専門家の対談
- お墓にまつわるトラブルあれこれ:その9 いよいよという時に…。
その9 いよいよという時に…。
昨今、一般的に見て通常の死に至る流れといえば、まず病院に入院してお亡くなりになり、病院から葬儀社の紹介を受け、葬儀社にお寺の紹介を受けるといったパターンが多いのではないでしょうか。
こういう際に気をつけるべき、発生しやすいトラブルはどんなものでしょうか?
「紹介を受けたお寺さんが葬儀だけは引き受けてくれたけれど、墓所のことまでは面倒をみてくれなかった」とか、「自分の家の宗旨宗派がわからず、適当なお寺にお願いして戒名をつけていただいたが、宗旨宗派違いのために次のお寺で受け入れてくれない」などという事例があります。
こういうふうに見ると、普段から家族の間で、もし身内に不幸があった場合は、うちは何宗でどこのお寺のこの住職を頼って行けばいいといったようなことを話し合っておくことが大切ではないでしょうか。
墓地を買うことは急がなくてもよいのですが、お寺は早目に決めておかないといざとなってからでは大変だということを覚えておいていただきたいと思います。
お寺さんとの付き合いというとなにか大仰なようですが、
そんな特別なことをすることはないのです。
お盆、お彼岸などの節目に当たり前のお付き合い、人間関係といったものを大切にしていただきたいと思います。
私がかねてから痛感していることで、各方面で指摘されていることでもありますが、いまの世の中というのは人間の生老病死が非常に見えにくくなった、日常生活と分断され過ぎてしまったのではないかと思います。
私たちは生老病死の狭間に生きている存在であるにもかかわらず、それを目に見えない場所においやってしまうことで大切なことを忘れてしまっているのではないかと思うのです。