『お墓』と聞いて思い浮かべる形というのはこの『和型墓石』と呼ばれるお墓だとおもいます。
和型墓石と一言で言っても形や大きさで分類されていて、装飾品、付属品も色々な種類がございます。
①部材の大きさで見た目も変わる
形が全く同じでも部材の大きさで『8寸角』、『9寸角』、『1尺角』とグレードアップして行きます。大きければ良いというわけではありませんが、例えば両隣に『9寸角』の墓石が建っている墓地に『8寸角』の墓石を建ててしまうと、形が同じな分、自分の墓石が小さく感じてしまうことがあるでしょう。
反対に、墓地の面積が8寸角に適している墓地に大きな墓石を建ててしまうと、墓地が狭く感じてしまい、掃除がしづらい等の弊害が出る恐れがあります。
墓地面積とのバランスを考えてお選び頂くことをお薦め致します。
②同じ和型墓石でも地域によって和型墓石の形が違う。
地域によって、お参りの仕方が違うのでお墓の形も変わってきます。
例えば、関西地域ですとお線香は立ててお供えします。
関東だとお線香を横に寝かせてお供えします。
すると、当然お線香入れ(お線香立て)の形がかわります。
さらに関西だとローソク立てはお墓の必需品ですが、関東ではローソク立てという部材は必ずしも必要ありません。
お墓が建ってから『この部材はイメージと違う』『ローソク立てがない』と言ったトラブルが起きないように、必ずご購入前に展示品等で実物を確認することをお薦めします。
また、お墓の形が問題となるケースはお墓を地方から引っ越ししてこようとする場合です。
持ってくるお墓が引っ越し先の墓地の面積に収まるかどうかはもちろんですが、地方によって納骨の仕方が違うということをご注意ください。
その地域の納骨の仕方に合わせる為に部分的にお墓を再加工、追加作製しなければいけないという事柄が生じやすいです。
近年需要が増え続けている横広で背をあまり高くしないお墓は『洋型墓石』と呼ばれています。
和型墓石には『8寸角』、『9寸角』と言ったようにある程度規格がありますが、洋型墓石はこれと言った規格はありません。
そのため、現在当社で展示してある洋型墓石は長年、お客様のご要望をお聞きしながら改良、改善を重ねたデザインとなっております。
加工の仕方も様々です。
当社のお墓は基本的にご依頼頂いてからひとつひとつ作製致しますので、デザインや大きさなどご希望通りに変更、ご提案致します。
上記の基本の形状を参考にして、部分的にアレンジして、ご自分だけの洋型墓石をお作りするお客様も多いです。
お墓の大きさ、段数に注意
値段がとても安価で紹介されている洋型墓石は芝台と竿石の2段で構成されているものをしばしばみかけます。
周りのお墓も2段構成の墓地なら問題ないですが、周辺のお墓が3段の洋型墓石だったり、和型墓石だったりすると2段のお墓がとても小さく感じてしまうことでしょう。
周辺のお墓の形などを考慮して、自分の墓地に合ったお墓の形、大きさにするのは大切なことだと思います。
更に同じ段数、同じ形だとしても竿石や上台など部材ごとの大きさもしっかりチェックするべきです。洋型墓石は基本の大きさが決まっていない分、石材店によって大きさが違うことがほとんどです。
特にチラシや図面だけで原寸の展示品を見ないで決めてしまうと、完成してから思ったより小さいお墓になってしまった等の問題が起きやすいです。
タテ洋型(位牌型)
洋型墓石の背を高くしたような墓石を『タテ洋型墓石』と呼んでいます。
お選びになるお客様で多い事例は、
「洋型墓石のようなデザインがいいけど、お墓に彫る文字は縦書きにしたい。(南無阿弥陀佛などのお題目を彫りたい)」
「洋型墓石のようなデザインがいいけど、隣が背の高いお墓を建てているのでどうしても洋型墓石だと埋もれてしまう。」などです。
当社通常寸法のタテ洋型墓石は隣に和型墓石が並んでも見劣りしない重厚感と高さがあります。
もちろん、タテ洋型もお客様のご要望次第でアレンジ可能です。
デザイン墓はお施主様の心の中にある想いをお墓の形にして表したものだと考えます。
お施主様のイメージ、ご希望に沿いながら、お墓としての機能や使いやすさを組み込んでいくことを重点に置いて、設計、ご提案致します。
≪座禅型墓石≫
故人様への想いや、建立者様の思考をデザインによって表すお墓があります。
座禅が調身、調息、調心の三調を整える意味で無我集中を表すこと、そうした念ずる基本を表現したいというお施主様のご希望から完成した座禅型墓石。
詳しくはコチラ >> 座禅型墓石を建立しました
温故知新
≪五輪塔≫
デザイン墓ではありませんが、お施主様が色々な形の「お墓」を建てられるようになった昨今、平安時代より建てられている非常に歴史ある『五輪塔』というお墓の形も改めて注目されるようになりました。
五輪とは『地(輪) ・水(輪)・火(輪) ・風(輪) ・空(輪)』のことで、古代インドにおいて宇宙の元素、構成要素と考えられた五大(地・水・火・風・空)を表したものです。
五輪塔と一言でいっても形に違いがありますのでご紹介させて頂きます。
一般型に比べて水輪の円が横広の楕円になっており、五輪の下の土台なども背を低くしている。そのため重厚感がある。
面積の狭い墓地には一石五輪塔という上記のような形の五輪塔を設置することもできます。