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- [お墓のことを知る・考える] 専門家の対談
- ごあいさつ: 対談に先立って
当社は、創業80周年を迎えましたが、時代とともにお墓のありかたも変化してきました。
最近は生前墓の需要が増え、それについてのご相談も増えたなと感じておりますが、世の中は核家族化が進み、なかなか家庭内でお墓に関する話をする機会がないのではないか、生きた情報に接するチャンスが少ないのではないか、という気がいたします。
そこで本日はお坊さんと弁護士さん、いわばお墓に関する専門家にお越しいただき、宗教家である成田ご住職からは仏教の持つ心のケアの力について、また、小松先生にはお墓にまつわる法律知識などについてお話を伺いたいと思います。
まずはお二人に自己紹介をお願いしたいと思います。
私は浄土真宗のいわゆる、「お西」と呼ばれる宗派に属する善了寺の住職をしております。
日々の地域活動にも力をいれておりまして寺で通常介護ケアサービスをおこなっております。
介護のほうではデイサービスを始めてもう3年目になりますが、地域とお寺、開かれたお寺をテーマに、「親身なお世話」を大切に活動しております。
現在の日本はどういうわけか放っておくと、どんどん人が孤立してしまう傾向があります。
私はお寺が「人と人が出会う、人と人を結びつける」場でも、あるべきだと思いますので、積極的にイベント・行事などにも取り組んでおります。
私は昭和62年に弁護士登録いたしまして、20年ほどのキャリアになりますが、まだ若手の頃に若手仲間と高齢化社会問題研究会というものを設立し、後に『くらしの相談室 お墓の法律Q&A』を執筆したことがきっかけで、宗教家や霊園関係者との交流が深まりました。
現在は「月刊石材」という業界紙に、現場トラブル110番という連載を持っていますが、世の中のあり方、家や家族の意識の変化、また宗教や死に無関心な世代が増えるなどの、時代の推移に伴ったトラブルが増えてきたなと感じています。
たとえば田舎にあるお墓が遠くて、なかなかお参りにもいけないので、都市の近郊に新しくお墓を建ててそちらに移したいのだが、親戚やいままでの菩提寺の方とトラブルがおきた、訴訟沙汰になったといったようなことです。
では、この三名の座談会という形式で、現代のお墓に関する様々な問題を、いろんな角度から掘り下げて話し合いたいと思います。