A:『ご夫婦が元気なうちはお墓で供養されて、将来的にお参りが出来ないような状態になり、かつお子様もお墓の面倒が見れない状態だった場合には、お檀家様としてしっかり永代供養墓へ移してお寺が供養しますよ。それにお子様もお二人(ご夫婦)くらいの年齢になれば子育ても仕事も一段落して考え方も変わってきますよ』
あるご夫婦が田舎の墓地を墓じまいして、自宅の近くに、ご先祖の供養とご自身たちの万が一に備えてお墓を準備しておきたいと相談にいらっしゃいました。
お話しを聞いて、お住まいからの距離などを考慮して近くのお寺の墓地をお薦めしたところ、ご自宅から近くて整備も行き届いていることが気に入って頂いたのですが、ご主人様が心配事を打ち明けてくれました。
「お墓を持つと管理費や寄付が大変だというけど、いくらくらいかかるのかな?ここのお寺なら年をとって車を手放してもバス一本で来れるし、自分たちの代はお寺と付き合っていくことが出来ると思うけど、子育てをしている息子世代に代が変わったときにお寺との付き合いが出来るだけの余裕があるかどうか、、、。子供たちはしょっちゅうお墓参りに来る時間もないだろうからお墓を所有するより永代供養墓に夫婦で入る方が経済的負担は少ないんじゃないかと思っている。石屋さんどうだろう?」
そのお寺は永代供養墓も整備されており、個人で管理するお墓よりも永代供養墓の予約をした方が良いのではないかと迷っているとのことでした。
確かに費用だけを考えるなら、ご夫婦お二人だけが入るなら個別のお墓を建てるよりも永代供養墓へご納骨されたほうが費用は安く済むと思います、とお伝えしました。
しかし、今回の場合はご先祖様のご遺骨も田舎から持ってきて供養をお願いすることと、今は不確定ですが、お子様がお墓を引き継ぐ意思がある場合には、かえって永代供養墓のほうが費用が高くなってしまう場合もあることを伝えました。
また、お話しをしていると、本心では元気なうちは個別のお墓でご両親を供養したいし、自分たちもいきなり永代供養墓に合葬されるよりもお参りしてもらえるなら個別のお墓が良い、というお気持ちがあるようでした。
以前までの永代供養墓の役割は、お墓を建てても後継者がいないためにすぐにお参りできなくなってしまう方のための供養塔という役割が強かったと思います。
しかし、近年は今回のご夫婦のようにお子様がいらっしゃっても、そのお子様が遠方にお勤めだったり、管理費等経済的な負担を考慮して、永代供養墓に入ったほうが『子供たちに負担をかけずに済むから』という理由で永代供養墓をお選びになる方が増えてきました。
今回のケースでは、そのお寺の住職と一度お話しする機会を設けて、聞きにくい費用のことなどもざっくばらんにご説明をして頂きました。
お話しの中で、永代供養墓の良い点、不都合な点、お墓を持つことの良い点、不都合な点をそれぞれご説明頂き、あわせてそのお寺様では強制的な寄付はないこと、管理費や年間の行事などの費用に関しても常識的な範囲であることがわかり、ご納得頂いてご夫婦は個別のお墓をお選びになりました。
なかでも、一番関心を示されていたことは
『ご夫婦が元気なうちはお墓で供養されて、将来的にお参りが出来ないような状態になり、かつお子様もお墓の面倒が見れない状態だった場合には、お檀家様としてしっかり永代供養墓へ移してお寺が供養しますよ。それにお子様もお二人(ご夫婦)くらいの年齢になれば子育ても仕事も一段落して考え方も変わってきますよ』
『きっと(お子様も)お墓を建てておいてくれて良かったと言ってくれると思いますよ』
と住職に仰っていただいた言葉だったと思います。
上記の例のように、現在は家庭のご事情も様々ですから、供養の仕方、ご要望も様々になっています。
個々のご事情を汲み取って、そのご家庭にあったご供養をしてくれるお寺様がお近くに必ずありますので、一概にお墓を持つべきか、永代供養墓のほうが得かと二者択一をするのではなく、まずはお気軽にご相談をしてみてください。
お寺様に直接聞きづらい場合は弊社のような石材店にご相談頂いても構いません。どうぞお気軽にお問合せください。