『石半は墓石に彫る文字にもこだわっています』
横浜市営墓地のひとつ、三ツ沢墓地では昨年使用者の一般公募があり、当選された方々が今年に入り、墓石を建立しております。
お施主様より許可を頂きましたので、先日建立工事をさせて頂いた方の墓石をもとにお墓に彫る文字の彫刻方法についてご紹介致します。
横浜市営墓地の公募区画は間口1m×奥行2mの2㎡前後という墓地がほとんどです。
今回の三ツ沢墓地でも周りには同じ区画面積の墓地がたくさんありました。
限られたスペースのなか、見栄えが良く、お参りがしやすいように設計するのも石材店の腕の見せ所だと当社は考えております。
墓石、外柵のデザインはもちろん、今回は文字彫刻にも工夫をしましてお客様にも大変喜んで頂きました。
打ち合わせの際、墓石正面の文字はお客様のご希望で『慈』という文字を彫ることになりました。
墓石正面の文字は、文字の部分を彫り込んでいく『彫り込み式』という彫刻方法が一般的です。しかし、今回のケースは『かすみ彫り(別名:梨彫り)』という彫刻方法を採用しました。
かすみ彫りは、まず文字の輪郭のみ縁取るように彫っていき、文字部分は彫り込まず、磨き仕上げが消えるように表面のみサンドブラスト(砂を吹き付ける)していく彫刻方法です。
写真の通り、深く彫り込まないのが特徴ですので、文字部分に汚れがたまりにくいのが特徴です。
ただ、かすみ彫りで注意が必要なのは石の色です。墓石に彫る文字というのは彫刻されて研磨していない石の色と、文字周辺の研磨した石の色のコントラストが強いほど文字がはっきり見えます。
石によってはせっかくのかすみ彫りが全く引き立たない石もあります。
また、彫り込み式にしたほうがしっくりくる石の形もあります。
今回はお施主様が選んだ石の色、形状を確認して、これなら『かすみ彫り』が映えると思いご提案致しました。
文字について打ち合わせさせて頂くことは他にもございます。
文字の書体、大きさ、配置など、一つひとつ原稿をお作りして打ち合わせしたうえで進めてまいります。
ご要望頂ければ、お施主様ご自身が書かれた文字を石に彫らせて頂くことも可能です。
お墓に彫る文字に関しての疑問は些細なことでもご相談下さい。
一つひとつ丁寧にお答え致します。
(併せてこちらもご覧ください => お墓を建てる「文字彫刻の種類」)